訃報は突然やってきます。誰でも思いがけない訃報に動揺してしまい、いつものように冷静に行動できないことも多いものです。
しかし、一番悲しいのは遺族ですので、遺族の気持ちを一番に考えた行動を取りたいものですね。

今回は、遺族の負担を少しでも減らすために、お通夜前の弔問で確認しておきたいマナーや服装などについてご紹介します。
弔問時のマナー 通夜前はどうするの?
訃報が届いたら…
訃報の知らせがあった場合、まず気をつけることは「落ち着くこと」です。
突然死にしても、長患いだったにしても、動揺して電話口で取り乱したり、死去した時のことなどをクドクド尋ねたり、といった非常識なことは控えましょう。

遺族は非常に取り込んでいる時ですので、お悔やみの言葉を伝え、簡潔に済ませるのがマナーです。
訃報があった時に確認することは?
- 故人の名前・関係
※代理で聴く場合(会社関係、電話を受けた人が面識がない)も多いものです。
「義母の妹の○○さん」や「○○会社の会長の○○○○様」など、キチンと伝えれるように確認しましょう。 - 通夜・葬儀・告別式の場所や日時
※弔電を届ける際に必要になります。 - 喪主
※弔電を届ける際に必要になります。 - 宗旨
※仏式、キリスト教式、神式などにより香典の書き方が違うため、分かる場合には確認しておきます。
また、故人と親しい間柄であれば、「他に連絡する方などいないか?」など手伝えることを伺い、出来る限り引き受けるようにしましょう。
お悔やみの挨拶の例文
故人の死を悼み、遺族を慰めいたわるのが「お悔やみの言葉」ですので、最低限守るべきマナーがあります。
お悔やみを伝えるときは、故人の死因や病名(病状)などを聞くことは失礼にあたりますし、「忌み言葉」を使わないようしなければなりません。
一般的なお悔やみの言葉
「このたびはご愁傷様でございます。謹んでお悔やみを申し上げます。」
「このたびは本当に残念でなりません。心からお悔やみを申し上げます。」
急死の場合のお悔やみの言葉
「突然のことで信じられない思いです。心からお悔やみを申し上げます。」
「思いがけないことで、言葉が見つかりません。謹んでお悔やみ申し上げます。」
長患いの場合のお悔やみの言葉
「先日、お見舞いに伺いましたときには元気そうにしていらっしゃったのに、残念でなりません。ご家族の皆さまには、さぞお力落としのことでございましよう。心からお悔やみ申しあげます。」
「ご家族の方々の看病のかいなく、とても残念です。ご家族の皆様、どうぞお力落としのございませんように。」
「冥福」という言葉は、仏教用語ですので、「ご冥福をお祈りいたします」は宗旨が仏教かどうか分からない場合などには、避けた方がよいでしょう。
忌み言葉に気をつける
弔問、通夜、葬儀・告別式などでは「忌み言葉」を避けるようにすることがマナーです。
避けるべき言葉は?
- 繰り返しや言葉など
例:「重ね重ね」「たびたび」「またまた」「重々」「かえすがえす」「次々」など - 生死に対する直接的な言葉など
「死亡」「生存」など、もし使う場合は「ご逝去」「ご生前」「お元気な頃」などに置き換えて使いましょう。 - 仏教での葬儀で避ける言葉
「浮かばれない」「迷う」などは、成仏できない言葉になりますので避けましょう。 - 神道・キリスト教での葬儀で避ける言葉
「成仏」「供養」「冥福」「往生」などは仏教用語ですので、避けるのがマナーです。
弔問はすぐにした方がいいの?
訃報を聞いた場合、「すぐに駆けつけてお手伝いをしてあげたい」と考える方も多くいらっしゃいます。
しかし、弔問した方がいい場合と遠慮した方がいい場合があります。
弔問すべき場合は?
親族(身内)は、すぐに駆けつけましょう!
突然の場合はもちろん、覚悟していた場合でも肉親の死はとてもショックは大きいものです。
しかし、遺族は葬儀の準備や死亡届の提出や決めなけれなならないことなどたくさんありますので、人手は必要になります。
「お悔やみの言葉」を伝えたら、手伝いを申し出るのがマナーです。
特に、女性の場合には、他の弔問客の応対(お茶出し)や雑用などもありますので、エプロンなども持参しましょう。
最近では、葬儀の進行を会社で取り仕切る場合も増えていますので、状況に応じて出過ぎることのないよう注意しましょう。
また、遠方の場合は、出来るだけ急いで駆けつけるようにして、到着の日時などを知らせておきます。
弔問した方が良い場合は?
故人や遺族との間柄がごく親しい友人や、近隣の方は駆けつけた方が良いでしょう。
こちらも、近親者と同じように、取り込んでいる遺族の代わりに、弔問客の応対や雑用を手伝いましょう。
また、親族で人出が足りている場合などは、状況を見てすぐに帰るようにしましょう。
弔問を遠慮した方がいい場合は?
上記に該当しない場合は、弔問は控えるのが良いでしょう。
お手伝いの方が増えれば、遺族の負担も増えてしまいます。
通夜、葬儀・告別式などに参列するようにしましょう
また、下記に該当する方も弔問を控えましょう。
- 遺族が弔問を遠慮している場合
遺族が、家族だけで故人を偲びたいと希望している場合は、その意思を尊重して弔問を控えます。 - 遺族を悲しませる可能性がある場合
故人のことを思い出して、悲しみが増してしまう可能性がある場合は控えましょう。
※例:故人が子供の場合など、同じ年ごろの子供がいる方は控えましょう。 - 慶事を控えている場合
近いうちに慶事を控えている、決まっている場合は、遺族に要らぬ気を使わせてしまうことがありますので、弔問は控えましょう。 - 事情が分からない場合
事故死や自殺、変死などの場合、死因を明らかにせずに密葬する場合があります。
連絡のない場合などは、控えるのが良いでしょう。
弔問時のマナー 通夜前の服装は?
お通夜の前の弔問の場合の服装は、派手でない平服で伺います。
お通夜前は、「取り急ぎ」ですので、喪服などは避けましょう。
喪服を避ける理由は…
突然の訃報ですので、遺族も準備をしていないことが多いものです。遺族よりも格の高い服装は失礼になります。
また、お通夜前の弔問に喪服を着ていくと、「死を待っていた(予想していた)から準備していた」と受け取られることがあるためです。
派手でない平服とはいえ、ジーパンやジャージなどはNGですので気をつけましょう。
また、女性の場合は、化粧は最低限にして、アクセサリー類は外しておくのがマナーです。
指輪なども石付きなものは避けましょう。
万が一、結婚指輪などが石付きの場合は、内側に回転させて隠すのがマナーです。
通夜前の弔問に数珠は必要?
服装と同じで、「取り急ぎ」駆けつけるものですので、お通夜前の弔問で数珠は必要ありません。
通夜前の弔問に香典は必要?
お香典は、基本的にお通夜、葬儀・告別式に持参するものですので、弔問時には必要ありません。

また、お香典を持っていくと「先に準備していた」と思われるため避けるのが良いでしょう。
まとめ
突然の訃報を受けた場合は「すぐに駆けつけたい」とお通夜前に弔問を考える方も多いのですが、一番大切なのは遺族の気持ちであり、負担をかけないことです。

弔問に行くべきか、遠慮すべきかを冷静に判断して行動を起こすようにしましょう。