ほとんどの食品に使われている塩ですが、塩の賞味期限を気にした事はありますか?
塩が固まったらどうしてますか?
塩は賞味期限が書かれていないのです。

ここでは、塩の賞味期限や保存方法、固まった塩をサラサラにする方法を紹介していきます!
塩の賞味期限についてご紹介
賞味期限とは?
様々な食品には賞味期限や消費期限が表示されています。
賞味期限は、劣化が比較的遅い食料品が、製造者が未開封の状態で、食品の安全・味・風味などの品質が維持される限界の期間を表示したものです。
商品によってその期間は様々です。
賞味期限は、美味しく食べる・飲むことが出来る食料品の期間を表しています。
期間を過ぎたら食べられないというわけではないのです。
未開封の状態での保存方法も関わっています。

ただし、牛乳などは出来るだけ賞味期限を守る方が気持ち的に安心感があります。
消費期限とは?
食料品の消費期限とは、野菜や魚などの生鮮食品・加工品が、食品衛生上において安心安全に消費出来る期間を示したものです。これまでは、製造年月日が表示されていましたが、2003年に改正されたJAS法という法律により、消費期限の表示が義務付けられました。定められた保存方法において、腐敗などの品質の劣化を保証する期限が消費期限です。
消費期限が表示されていても、生鮮食品などはなるべく新鮮なうちに消費するのがベストです。日当たりや温度変化が一定条件で保たれるのは不可能だからです。5日を超える長期保存が可能な食料品には、消費期限ではなく、賞味期限が表示されます。消費期限と賞味期限の違いは、安心安全が保障できる日数の違いなのです。
塩の賞味期限は?
日常生活の食卓に欠かせない塩ですが、小瓶に入った塩なら消費してしまうけれど、未開封の塩は、賞味期限がどうなっているか分からないのです。ここでは、そんな塩の保存方法や、賞味期限はどうなっているかを紹介していきます。
塩の未開封と、開封後に気をつける保存方法も紹介していきます。安全が気になる食品を安心して使えるようになりましょう。未開封だから安全とは言えないのです。
塩の作り方①精製塩
精製塩とは、海水から電気分解でナトリウムイオンを抽出して濃い食塩水を作ります。その後、煮詰めていき、塩の結晶を作ります。生産方法が簡単で、スーパーなどで特売日に安く売られています。食塩、食卓塩として表記されているほとんどがこの精製塩です。
塩の作り方②再製加工塩
メーカーにより、加工方法成分量が変わってきますが、主に輸入した塩や精製塩ミネラルやにがりを添加して成分調整した塩です。今は、自然塩や天然塩と表示する事が禁止されています。
塩の作り方③天然塩・自然塩
日本には昔、多くの塩田がありましたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。天然塩・自然塩は、塩田で自然に凝縮して製造する方法のため、コストが高く、生産が少なくなっています。かなり高額な価格となっています。
保存食には塩が使われる
昔から漬物などの保存食には塩が使われてきました。これは塩の殺菌作用を利用したものです。梅干しの製造にも多くの塩が使われています。長期保存が可能になるのは、塩を使っているからなのです。
塩に賞味期限切れはある?
塩には賞味期限表記がない
最近では塩の種類が幅広くなり、様々な塩が発売されています。その為、塩製品のパッケージには、賞味期限は記載されていないのです。これは砂糖も同じなのです。砂糖と塩には何故、賞味期限の記載がないのか、疑問になりますが、塩は長期間の保存が出来るのです。
塩は賞味期限を表記する義務がない
食べるものですから1度は必ず賞味期限を気にするものです。しかし、塩は長期間の保存が可能なため、賞味期限は記載する必要がないのです。塩は賞味期限は気にしないで、安心して利用する事が出来る食品なのです。
塩の種類①海水塩
現在、日本で生産されている塩のほとんどが海水塩です。日本の地形を活かした生産方法です。ミネラルが豊富で、まろやかな味のため、食材の持ち味を活かす事に使われています。にがりを多く含んでいる、粒が粗めの塩は「あら塩」として発売されています。
海水塩は主に、精製・天日・煮詰めるなどの製法があります。電気分解で精製する方法は、ミネラル分が通常より少ない塩になります。日本では、湿気が高く天日塩の製造は難しくなっています。オーストラリアやメキシコでは、大規模な天日海塩があります。
塩の種類②岩塩
最近、料理屋で使われる事が多くなっているのが岩塩です。岩塩は、地球の地形変動などで海水が閉じ込められて結晶として岩のように固まったものです。様々な形や色をしており、塩気が強めです。その為、何百年にわたって腐らずに残っているのです。
岩塩層から取れる塩で有名なのは、アンデス山脈のローズソルトやヒマラヤ山脈の岩塩です。日本では取れない岩塩ですが、世界で生産されている塩の多くは岩塩なのです。また、岩塩は食用でないものも多く、購入する時には確認が必要となります。
塩の種類③湖塩
昔は海だった場所の水が、蒸発して塩分濃度が高くなった場所で製造されているのが湖塩です。有名なのがイスラエルの死海、ボリビアのウユニ湖などです。元々は海だった場所でミネラルがバランスよく含まれた塩です。様々な調理に使いやすい塩となっています。
日本には湖塩はないようです。アメリカのグレートソルト湖も有名ですが、生産量は少なく、貴重な塩と言われています。
塩【未開封】の賞味期限
未開封の塩は賞味期限を気にしなくていい
未開封の塩は、他の食品等の不純物が混ざる可能性が低い為、何年経っても賞味期限は気にしなくていいのです。最近ではしっかりしたパッケージとなっていますので、買いだめして残ってしまった塩も捨てないで使うことが出来ます。
未開封でも注意したいこと
塩に賞味期限はないといっても、パッケージには注意が必要です。長期保存している場合、何らかの原因で穴や破れがパッケージに見られた場合は、賞味期限は考えずに買い替えた方が安心です。保存方法にも注意が必要です。
賞味期限は気にしなくていいのですが、家の中にはどうしてもダニやゴキブリといった虫が存在する事もあります。ビニール袋に穴を開けられる場合もあります。未開封だからと安心しないで、保管場所や保存方法には注意が必要なのです。
ダニなどによりビニール袋の大袋に穴を開けられていた場合、買い替えるのをおすすめします。塩は腐食しない食料品ですが、ダニなどの死骸が残る場合があるのです。人によってはアレルギーを引き起こす原因にもなるのです。
塩【開封後】の賞味期限
塩は開封後も賞味期限はない
塩は1度開封後、保存しても腐ることのない食品で、賞味期限はありません。長期保存が可能なのです。ただ、開封後は湿気を吸う事で固まる場合があります。
賞味期限はなくても保存には注意が必要
塩は開封後、湿気を吸いやすくなります。未開封なら安心ですが、開封後には固まる場合が多いのです。また、においの強いものと同じ場所で保存すると、においが塩に移る場合もあります。賞味期限は気にしなくても、保存には注意が必要なのです。
塩に賞味期限がない理由
塩は賞味期限を記載しなくていい
塩に賞味期限はないと言われても不安はあります。消費者が不安にならないように、JAS法や食品衛生法で決められているので安心して長期保存が出来るのです。安定した品質が長期間保てるので、賞味期限を記載する義務がないのです。
塩は腐らない
塩は無機質で、時間が経過しても品質の変化が少ない食品として認められています。腐敗菌が活動する事が出来ないので腐らないのです。その為、賞味期限は記載されていないのです。
塩が腐らないのは浸透圧が関係しています。塩は塩分濃度が高く、雑菌が入っても雑菌の水分が奪われて、雑菌は繁殖出来ないのです。このため塩は未開封であっても水分の多い場所では固まるのです。
賞味期限がない食料品①砂糖
砂糖には塩と同じように、微生物や雑菌が繁殖するための水分を吸収する食料品です。その為、賞味期限は記載する義務が省かれています。ジャムなどの保存食には砂糖が使われているために腐らないのです。
賞味期限がない食料品②アイスクリーム
夏場に大量に消費されるアイスクリームは、賞味期限の表示がされていません。アイスクリーム類の食料品が腐りにくいのは、氷点下18度以下の冷凍保存状態において、微生物や菌が増殖出来ないからです。品質の劣化が極めて小さい食料品として認められています。
賞味期限がない食料品③はちみつ
純粋なはちみつにも賞味期限の表示がありません。スーパーなどで購入出来るようなはちみつは加熱処理されているので、賞味期限があります。純粋なはちみつは、過酸化水素の殺菌作用を持っています。
賞味期限がない食料品④ガム
ガム類は、パッケージの梱包もしっかりと密封されており、長期間において品質の劣化が少ないことで賞味期限の表示がされていません。また、使用されている原料には、水分の少ない安定した糖分や香料が使われています。ただし、キシリトールガムなどの特定保健用食品といわれる部類のガムには賞味期限の表示が義務付けられています。
賞味期限がない食料品⑤ウイスキーなどのお酒
アルコールには殺菌作用があり、ウイスキーなどのアルコール度数の高い蒸留酒には賞味期限が記載されていません。未開封で保存状態の良いものは何十年もの期間にわたり保存出来るのです。何年物のワインなどといわれるのは腐らないからなのです。アルコール類でも、ビールや清酒などアルコール度の低いものは例外となります。
塩の保存方法
塩<未開封>の保存方法
塩は賞味期限に関係なく保存が出来る食品ですが、保存方法には注意が必要とされています。未開封の塩ならパッキングさえしっかりしたものなら安心です。未開封でも、薄いビニール袋の場合は、破れたりしないように取り扱いに注意して保存しましょう。
未開封の塩は、常温保存で冷暗所に保存するのが1番です。未開封でも温度差がある場所に保存すると、そのまま全体が固まってしまうのです。シンクの下の棚などはお湯を流す場合もあり、排水パイプの近くは避けて保存しましょう。
塩<開封後>の保存方法
開封後は、温度や湿度の影響を受けにくい冷暗所に保存します。密封容器に移して保存するのがベストです。また、固まるのを防止する乾燥剤の利用もおすすめです。
塩は開封後、百円ショップで売られているタッパーを利用するのもおすすめです。購入した時は、塩の量が多く、大きめの密閉容器に入れて、通常に使っている塩容器に移すのがペストな保存方法です。開封後は特に湿気に注意しましょう。
保存方法のポイント①保存場所
塩は、未開封・開封後に関わらず、高温多湿を避けて風通しの良い冷暗所がおすすめです。これは食料品全般に共通しています。また、臭い移りがしやすい塩の性質を考えて、強い臭いの物と同じ場所に置かないようにしましょう。
塩は吸湿性があり、水分によって固まってしまい、使いづらくなってしまいます。常温での保存が可能となっていますが、温度変化の少ない場所での保存・保管がおすすめです。
塩は賞味期限がない食料品で、長期の保存が出来ます。冷蔵庫に入れて保存する必要はないのです。除湿は出来ますが、他の食品の臭いが移る可能性を考えるとおすすめできません。
保存方法のポイント②保存容器
塩は水分や臭いから遠ざけて保存しますが、その時に役立つのが密閉容器です。賞味期限がないからといって、まとめ買いをするのは控えましょう。未開封の場合でも、大袋のまま空気の入りにくい密閉容器に入れておくと、袋の破れなどを気にすることなく安心して保管出来ます。
開封後も大袋ごと食卓に出すわけでないので、残った塩をそのまま密閉容器で保存・保管が出来るので、大袋サイズの密閉容器があれば便利です。百円ショップに様々なサイズの密閉容器があるので利用しましょう。
開封後取り出した塩は、小さめの密閉容器、もしくはふたの付いた小瓶容器に入れておくのがおすすめです。調理中に他の調味料が飛んで来る場合もあります。ふたが付いていれば安心して使うことが出来ます。
固まるのを防止する方法
塩は固まる食料品です。どんなに気を付けていても、塩の吸湿性の強さで固まる場合があります。これを最初から予防する方法は、塩を乾燥した状態にしておくことです。
ふたの付いた容器や小瓶につまようじを入れておくのも塩の湿気を防ぐ1つの方法です。外食時に、塩の入った小瓶につまようじが入っているのを見かける時がありますが、塩が固まるのを防ぐ効果があったのです。
お菓子などの乾燥を防ぐために内装されている、シリカゲルの乾燥剤も塩が固まるのを予防するのに役立ちます。塩を使いたいときに、塩が固まっていてすぐに使えないと不便です。来客時に恥ずかしい思いをしないで済みます。
塩が固まってしまったら?
開封後固まった塩はフライパンで炒る
開封後、保存中に塩が固まってしまった場合には、フライパンに油を引かずに固まった塩を軽く炒りましょう。塩に含まれていた水分が飛ばされて固まっていた塩をサラサラに戻すことが可能です。1度炒ると、吸湿性がなくなるので、固まらなくなります。最初はフライパンの中でベタベタしますが、サラサラに変化していきます。
フライパンで炒た米を塩の容器に入れる
キッチン周りは、火を使うことが多く、熱気が充満しやすい場所です。そこで塩を使うので、どうしても塩は固まります。そんなときは料理のお店で良く使われているやり方で解決する方法があるのです。米をフライパンで炒って、塩の容器に入れておけば、塩が固まるのを防いでくれます。お茶などを入れる不織袋に、炒た米を入れて塩の容器に入れるのがおすすめです。
固まった塩を電子レンジでチンする
固まった塩の水分を飛ばすのに、電子レンジを使う方法もあります。
30秒ほど電子レンジであたためてやれば塩の塊がほぐれていきます。

塩を燃やしても炭にならないのは驚きです。
美味しい塩をいつまでも
塩の保存は気を付けていても固まるものなのです。
現在では固まるのを防止するグッズが売られています。

開封後、タッパーなどに珪藻土のスティックを入れるだけで湿気防止として塩が固まるのを防いで美味しく保存が出来るのです。
料理に欠かせない塩を快適に使う!
賞味期限は関係ないと言われる塩ですが、品質の良い状態で保存するには、未開封時の保存はもちろんですが、開封後にも注意して保存方法を見直してみましょう。
それだけで、塩が固まる事やにおいの移りを防止して、塩を快適に料理に使うことが出来ます。
未開封、開封後に関わらず、塩は保存方法を間違わなければ、何年でも保存する事が可能な食品です。
食卓に欠かせない存在として塩の保存方法を知り、美味しい塩を長く使えるようにしましょう。
塩は賞味期限がなく、長期にわたって食卓の便利な調味料として役に立っています。
また、梅干しや漬物にも使われ、他の食品の防腐にも役立つ防腐効果もあるのです。

便利な塩をうまく活用していきましょう。