近年は職場環境も整ってきて、働く女性が増えました。
その反面、結婚後は専業主婦を望む若い女性も増えています。
そこで、配偶者となる男性の年収ですが、夫が年収がいくらあれば専業主婦でいられるのか。

気になる現代の年収とはどのようなものでしょうか?
夫の年収、どれくらいあると専業主婦になれるの?
バブル景気以降の景気変動・社会変化に伴い、結婚後も働く主婦も増えてきました。
バブル景気以前の社会は、終身雇用・年功序列の社会で、経済は右肩上がりだったこともあり、夫の所得は比較的安定していたため、専業主婦の方が多い時代でした。
しかし、不景気な状態が長く続き、夫の年収が減り始めると、世帯収入を安定的にするため、または女性の社会進出の機会も増え、主婦でも働く人が多くなりました。
しかしその逆に、20代30代の女性に、専業主婦願望が増えていることも事実です。
それでは、専業主婦になれるのは、夫の年収がいくらあると専業主婦でいられるのか。
婚活世代の希望する配偶者となる人に対する希望年収は、本当に叶うのか。
高所得の男性と結婚すると結婚生活はどうなるのか。

いくつかの角度から見てみたいと思います。
専業主婦になりたい理由
昔は、専業主婦であることは珍しくない普通の事でしたが、働く主婦が多くなった現在、専業主婦になりたいのはどうした理由からでしょうか。まず、子育てするにあたり、子供と一緒にいてやりたい、子育てに専念したいからという理由があります。他人に任せるのではなく、自分の手で面倒を見たいなどがあります。そして、家事育児の両立が難しいということも理由の一つです。他に、配偶者が専業主婦を希望するからという理由もあります。その他、働くのがつらい、働きたくないなどの理由もあるでしょう。
いずれにしても、専業主婦になるとしたら、なぜ専業主婦を希望するのか。専業主婦になるなら、家事全般はこなすことになると思いますが、やりくりなどどこまで家事能力を発揮できるかということになります。世帯収入は夫のみになるため、結婚生活は経済的なことも含めて、人生設計を明確にし、本当に専業主婦でいられるのか、きちんと自問自答する必要がありそうです。
婚活世代の男性の年収はどれくらい?
さて、それでは現代の婚活世代の男性の平均年収は、実際どのくらいなのでしょうか。よく婚活世代の女性の結婚生活に対する希望年収は、600万円くらいという方も多くいます。実際はどうなのか、データをもとに見てみると、20代後半男性370万円、30代前半男性440万円、30代後半男性500万円ほど……となっています。
このデータを見ると、600万円以上の年収がある男性は、けっこう稼いでいる人たちなのでは、ということになります。実際のところ、年収600万円以上稼いでいる男性は、30歳代のある程度年齢の高い男性で、全体の24%くらいです。600万円の内訳をみると、月に40万円もらい、ボーナスは120万円ほどもらっていることになります。
また、実際に専業主婦が多くなる家庭の夫の年収は、子供のいる無しや地域差にもよりますが、700万円くらいがボーダーとなるようです。そのくらいの年収を稼ぐ男性は、全体の12%前後くらいしかいない、高所得プレイヤーの部類に入ることになります。
世帯別の専業主婦になれる夫の年収
具体的に、専業主婦になれる夫の年収はいくらくらいか、一般的には結婚生活を送るうえで、どれくらいのお金がかかるのか。これは地域によっても差があることですが、ここでは世帯収入の一生涯に必要な額を見てみます。(夫35歳、妻32歳、貯蓄300万円、子供3歳と0歳、マンション購入額3000万円、ローン残額2000万円、固定金利2%、35年ローン、子供は高校までは国公立、大学は私立、老後は60歳定年、65歳まで嘱託勤務、その後70歳までシルバー人材センターで働く、繰り上げ返済はなし、とした家庭を想定。)
基本的に月にいくらほど、子供や老後、ローンにかかるか計算することが必要になります。ローン残額2,000万円ですと、この金利では一生で4,000万円ほど支払う必要が出てきます。そうするとローンは、35年ローンですと月に9.6万円ほどです。子供費は1人1,000万円かかると言われています。
また、老後の貯蓄として、最低限の生活費でも月に22万円ほどかかると言われています。80歳まで生きるなら、25年から30年間貯蓄したとしても、月15.4万円の貯蓄が必要です。また、もし、老後にゆとりある生活をしたいなら、月に36万円必要といわれますので、さらに貯蓄額が多くなります。もしくは、かなり家計を切り詰めた結婚生活となる可能性があります。
1.夫婦2人の家庭の年収
夫婦2人家庭で子供なしの場合は、子供費が全くかかりませんので、住宅ローンと老後のお金を用意すればいいことになります。そしてもともと貯蓄が300万円ありますので、老後の貯蓄を300万円減らします。そうすると月の貯蓄は14.4万円です。そして生活費は、2人で15万円とすると、ローン9.6万円+老後費14.4万円+生活費15万円=39万円が月にかかるお金です。すると年収468万円ほどが必要となります。
2.夫婦2人×子1人の家庭の年収
子供がいる家庭ですと、上記のお金+子供費がかかります。子供1人当たり1,000万円かかるとすると子供費は、貯蓄の300万円を差し引いて、月に3.3万円ほどです。それに住宅ローン9.6万円と老後費15.4万円と生活費18万円とすると、ローン9.6万円+子供費3.3万円+老後費15.4万円+生活費18万円=46.3万円となり、年収555.6万円となります。
3.夫婦2人×子2人の家庭の年収
子供2人の場合、子供費が2,000万円かかることになります。貯蓄の300万円を引くと1,700万円となり、月に7.9万円ほどの貯蓄です。その他のローンや老後費などと合わせると、子供費7.9万円+ローン9.6万円+老後費15.4万円+生活費20万円くらい=52.9万円が月にかかります。すると634.8万円ほどの年収が必要となります。
世帯別の家計・実際にこれだけかかるの?
このように、専業主婦ですと、夫の年収が高くないと厳しいものがあります。上記の世帯別の年間にかかる額は、子供の習い事代などや介護費用、急な病気の費用などは含まれていません。しかしまた、将来もらえる年金額や嘱託社員などで働く月給も考慮に入れていません。もらえる年金額や老後の働きによっても必要な貯蓄額は違ってきます。また、子供を育てる際に、各自治体から児童手当が支給されますし、急な入院などは、高額療養費を申請すれば、戻りがあります。それらの額を考慮すると、上記の年間額が丸々かかるわけではありません。
専業主婦の場合と働いた場合の収入
働いた場合・パート編
もし、専業主婦からパートで働き始めた場合はどうなるか。そうした場合の世帯収入を見てみます。1日5時間週4日勤務、時給900円月額76.5万円、年額91.8万円として計算すると、夫500万円+妻91.8万円=世帯収入591.8万円となります。また、勤続年数が長ければ、時給も上がっていく可能性もあります。
働いた場合・正社員編
女性が正社員で働いた場合、年齢別では男性ほど大きな違いがないようです。30代女性の平均値では、400万円以下の女性が60%ほどを占めます。そこで少なくとも年収300万円だとして計算をすると、夫の収入が500万円だとしても、夫500万円+妻300円=世帯収入800万円、とこのようになります。これは、女性の年齢にもよりますが、年齢が高くなれば収入も上がる可能性があります。
こうしてみると、妻が収入を得ることで、夫婦の世帯収入を増やすのは、夫が年収を100万円上げるよりも難しくないはずなのです。
専業主婦と働く主婦の年収の違い
では、専業主婦が35歳から60歳までの25年間働くと、主婦の年収は生涯ではどうなるでしょうか。パート勤めの場合、上記の例ですと、91.8万円×25年=2295万円。正社員ですと単純に計算して、300万円×25年=7500万円、ということになります。
ずっと働くようになると、夫婦の世帯年収が増え、生涯でこれほどの違いになります。専業主婦でいるのもいいですが、若いうちの方が働きやすく、働けるときに働いていた方が、夫婦の老後の経済安定にもつながりやすいかと思われます。
専業主婦になったときの生活
こうしてみると、専業主婦になるのも、夫の収入がかなり高くなければ難しい場合があります。また、専業主婦になるとゆったり暮らせるようですが、たとえ家事炊事全般をこなしても、暇を持て余すことにもなるかもしれません。逆に、子育てに専念できても、意外と大変ということもあります。こうした結婚生活は理想とは違うかもしれません。
しかし、専業主婦の生き方を否定的に言っているわけではありません。それぞれの家庭の事情があり、ゆったりしたあくせくしない生活に満足しているならば、専業主婦でも構わないのです。また、子育て・介護等の事情もあります。そして、専業主婦に向いている人もいます。要は、自分たちの生活事情に合わせ、どうすれば安心して、夫婦で幸せな結婚生活が送れるか、人生設計は大丈夫かによっても決めればよいことなのではと思います。
専業主婦でいられるには
こうしてみると、現代のような社会で専業主婦でいるのは、男性にそれなりの収入が必要ということにはなります。
しかし、夫婦で簡素な生活をするというのであれば、この限りではありません。

上記の年収よりも少ない世帯収入で、専業主婦でごく満足のいく幸せな結婚生活を送っている家庭もあると思われます!
まとめ・専業主婦でいられる夫の年収
こうしてみると現代は、専業主婦になるのも事情によりけりということになります。
夫の年収が多いのは理想です。

けれど、それほど多くの男性が、理想的な年収であるとは限らない、または、病気や老後などのリスクに備える必要があります!
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