質屋ってどんなところ?質屋に関する用語の意味と買取や貸金業者との違い

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質屋は鎌倉時代から日本にありますが、意外と利用したことがない人が多いです。

そこで、質屋が初めての方でも利用しやすいように、質屋の仕組みのご紹介や、質屋と貸金業者の違い、質屋の利息の相場、質屋のお得な利用方法など、これを読めば質屋のことが丸ごとわかるように詳しくご紹介します。

質屋とは

質屋を簡単にいうと、質種(担保)として商品を預かりお金を貸し、利息を取ることを商売にしているお店です。
お客が元金と利息を返さない場合は質流れになります。

質流れの意味は「お金を返さずに質種が質屋のものになること」です。
質屋は買取もおこない、買取った時期により買取相場も変わってきます。

質屋って簡単にいうとどんなところ?

質屋の仕組み

質屋とは質草(貴金属など)を担保として預かり、質草を査定して出た金額を貸し出してくれるお店のことです。この仕組みを「質預かり」といい、3ヶ月間お金を貸してもらうことができます。

質草を引き取りたい場合は、借りたお金プラス3ヶ月分の「質料」を払うと自分の手元に質草が帰ってきます。質料とは借りたお金の利息プラス管理料と保管料のことです。

質屋にはもう一つ「買取り」という業務もあります。買取りはリサイクルショップのように商品を買取ってくれるシステムで、商品の所有権が質屋に移るため、買い戻すことはできません。

どんな品物を質入れできるの?

質屋に質入れできる商品はお店によって異なりますが、貴金属や電化製品、時計などを質草にすることが多いです。ルイヴィトンやグッチなど高級ブランド品のバッグは人気があるので査定額が高くなります。

価値が安定しているい金やプラチナなどの地金も査定額アップが見込めます。宝石が入った指輪やネックレスのようなアクセサリーも高値の査定がつきます。

他には、金券や楽器、パソコンなども質入れができます。高級な着物などもOKです。しかし、リサイクルショップではないので、古着や中古の靴など価値が低いものは質入れできません。

洋服でも高級ブランド品なら質入れが出来ますので、普段からブランド品は丁寧に扱っておくといいです。質入れする前に、拭いたり、クリーニングしてきれいにすればさらに査定額アップにつながります。

質屋と貸金業者の違い

特徴と違い①:管轄する法律が違う

質屋は「質屋営業法」と「古物営業法」、貸金業者は「貸金業法」や「出資法」、「利息制限法」に則ってて営業をしています。法律によって上限金利が違うので、質屋は日0.3%(年109.5%)、貸金業者は年20%の上限金利になります。

質屋の金利が高いのは質草の保管と管理料が含まれているからです。そのため、質屋には長期にわたって保管が可能な倉庫が設置されています。

特徴と違い②:質屋は担保が必要

質屋は質草と呼ばれる担保が必要ですが、貸金業者は担保が必要ありません。質屋に借りたお金を返済できない場合は、「質流れ」といって質草にした物を取られてしまいます。

質流れになった物は取り戻すことはできませんが、質流れになった時点でお金を返す必要がなくなります。

貸金業者は担保が必要ありませんが、貸し付けをする相手に対しての審査があります。審査に通らなければ、お金を貸してもらうことができません。

その点、質屋は免許証やパスポートなどの本人確認のみで、お金を貸してくれるので、審査に通らなそうな場合は、質屋を利用するのがおすすめです。

特徴と違い③:質屋は信用情報を持っていない

貸金業者でお金を借りる場合は審査がありますが、その審査の基準になっているのが「信用情報」です。信用情報は顧客が貸金業者を利用した際に「信用情報機関」に登録され、個人の借入れの記録になります。

信用情報は信用情報機関に登録している貸金業者なら自由に見ることができるので、過去に支払いの遅延や不払いなどがあった場合は、審査に通らないこともあります。

質屋の顧客情報は貸金業者のように信用情報機関で管理されてなく、店単位で管理されています。個人の借入れの情報は、自分の店の分しかわかりません。

質屋が信用するのは顧客の借金返済能力ではなく、質草そのものです。質屋は物をみてお金を貸し、貸金業者は人をみてお金を貸すと思っておくといいです。

特徴と違い④:質屋は返済義務がない

質屋はお金を返せない場合も質草が質流れになってお金を返す義務がなくなり、不払いになることもありません。一度質草にした品物でもまた質入れをすることができます。

貸金業者から借りる場合は担保がないので、必ずお金を返済する必要があります。元金プラス利息を期限までに返す必要があり、期限を過ぎても返せないときは催促状がきます。

金利が高いのは質屋ですが、質屋は「返せなかったら質草を取られてもいいや」と思えるので、返済のプレッシャーが低く手軽なところがおすすめです。

特徴と違い⑤:質屋は買取りがある

貸金業者はお金を貸すこと専門ですが、質屋はお金を貸す他に、商品の買取りもやっています。買取って貰えばお金を返す必要もなく、行ったその日にお金が手に入るので、冠婚葬祭などで急にお金がいる場合に便利です。

また、最初はお金を借りておいて、あとで買取に変更することもできるので、商品を売るか売らないか迷っているときにも便利な仕組みです。リサイクルショップでは、必ず買取になり商品が戻ってこないので、お金が急ぎで必要なときは、とりあえず質屋で質入れをするのがおすすめです。

特徴と違い⑥:質屋はお店にいく必要がある

質屋は質入れする質種の査定が必ずあるので、質屋に来店しなければいけません。質種を査定して貸してくれる金額を決定する仕組みなので、遠方にしか質屋がなくても質種を持っていかなければいけません。

その点、貸金業者は担保(質種)がなくていいので、お店にいかなくてもウェブサイト上で申し込みから借り入れまでを行うことができるところもあります。自宅から借入れ手続きができるので、忙しいときに急にお金が必要なときに便利な仕組みです。

ただ、質屋は質種の査定分のお金しか貸してくれないので、貸金業者で自分の返済能力ぎりぎりのお金を借りてしまうようなことがなく、返せなくても質種が質流れになって借金がなくなるので、借金が膨らみ過ぎることもないので安心できます。

質屋の預かりと買取ではどっちがお得なの?

質入れした商品の査定額をもとにしてお金を貸してくれる質預かりは、同じ商品を買取る場合と比べて、借りられる金額が少なくなります。質屋としては、買い取った商品を売ってすぐに現金化した方が儲けが早く出るので買取は査定額が高くなります。

金額だけで見たら買取の方がお得ですが、商品は自分の手元からなくなってしまいます。なかなか手に入らない商品を売るしかない場合、預かりにしたほうが、商品を手元に戻すこともできるのでお得です。

質入れしたり売却したりする商品が、自分にとってどの程度の価値を持つかによって、預かりと買取でどちらがお得かが変わってくるので、一概にどちらがお得かとは言い切れません。買取ならリサイクルショップでもできるので、質屋の特性をうまく生かした預かりを利用するのがおすすめです。

質屋とリサイクルショップの違いは?

質屋もリサイクルショップも商品の買取りをしてくれる点では同じです。質屋はブランド品や金・プラチナなど正確な鑑定が必要なものを取り扱うことが多いので、高級品や地金などを買取りしてもらうのにおすすめです。

リサイクルショップは、主に日用品全般を買取りしてくれるので、ノーブランドの服や、スキー板や、楽器など買取り品目は多数あります。貴金属を取り扱うリサイクルショップもありますが、査定の正確さや専門的知識では、長年の経験の積み重ねがある質屋がより信頼できます。

質屋とリサイクルショップの大きな違いは、質屋はお金を貸してくれることです。質屋は買取りと同時にお金の貸し付け業も行っているので、商品を売却せずに、質屋に預けてお金を借りることができます。

預けている間の保管・管理もきっちりと行うように、法律で定められているので安心で、3ヶ月間の間にお金を返せば質種にした商品は手元に戻ってきます。リサイクルショップに売ってしまった商品は、同じものを買い戻すことができないので、後で「売らなければよかった」と思ってもどうすることもできません。

質屋の利息の相場は?

質屋の金利は「質屋営業法」により、月最大で9%までと決まっています。9%以下だったら何%に設定してもいいので、お店によって利息は変わってきます。

全国にお店を展開している「大黒屋」では、借り入れ額が、30万円以上100万円未満で月1.5%、総額100万円以上1000万円未満で月1.25%、総額1000万円以上で月0.95%、30万円以下はお店によって違うとなっています。

東京で3店舗を経営する「須賀質店」では、借り入れ額が、総額30万円以上で月1.5%、総額10万円以上30万円未満で月2%、10万円未満で月3%となっています。

東京の麻布に店舗を持つタマリヤでは、借り入れ額が、30万円未満で月3%、30万円以上で月2%、100万円以上で月1.5%、1000万円以上で月1%となっています。

「質屋営業法」で月最大9%と決まっていても、それほど高い利息をかける業者はなく、一番多く借入れされる30万円以下の金額で、月2〜3%が相場です。どこのお店でもいえるのは、借入れの金額が高くなるほど利息が下がるということ、つまり、幾つかのお店で質種を分散して借入れするより、一つのお店で質種をまとめて借入れをした方が、借入れ金額によっては、利息を安くできるということです。

質屋流れとは?

質屋流れとは、返済期限内に貸付けした金額プラス利息の支払いが行われなかったときに、質入れした質種が質屋所有のものになってしまうことです。質種は質流れもあることを前提に担保として質屋に預けられているので、質屋営業法に則った正しい流れになります。

質屋の返済期限は、お金の貸出しを行ってから3ヶ月と決まっています。その期間内に貸付け金額プラス利息の支払いがない場合は、質屋は前もっての連絡なしに質種を質流れにすることができます。

質流れは期間を延長することができ、延長したい期間の利息を払えば何ヶ月でも預かり期間を延長することができます。例えば、3ヶ月が過ぎ、もう1ヶ月延長したい場合は、1ヶ月の利息を払います。3ヶ月経過分の利息を払う必要はなく、1ヶ月の利息のみで1ヶ月延長が可能です。

同じようにして2ヶ月でも6ヶ月でも好きなだけ預かり期間を延長することができます。貸付け金額と最初の3ヶ月分の利息を払うのは、質種を自分の手元にもどすときでよく、もし何ヶ月か期間延長した後で質流れにするなら、貸付け金額と最初の3ヶ月分の利息を払う必要はありません。

質流れした質種はオークションにかけられたり、インターネット販売されたり、専門業者に売ったり、買取り店舗か同系列の店舗で売られたりするので、探しだしてもう一度手に入れるのは難しいです。

質屋を使ってみるのにおすすめの人

おすすめの人①:高級ブランド品を持っている人

質屋の質草の査定が高い高級ブランド品を持っている人は、質屋を使うのに向いています。質屋は質草の価値によって貸し出すお金が決まるので、人気がある高級ブランド品を持っている人は高額のお金を借りることができてお得です。

人から貰った物で、趣味が合わないブランドバッグとか、知名度のある高級腕時計、グッチやエルメスなどで購入した貴金属類などを質入れすると高値の査定がついておすすめです。

高級志向からミニマムな暮らしの志向に変わったときなども、使わなくなった高級品を一気にお金にすることができて便利です。また、質入れと買取りが選べるので、完全に必要ないものなら査定が高額になる買取りにするのもおすすめです。

おすすめの人②:貸金業者に行きたくない人

貸金業者は質屋よりも安い利息でお金が借りられますが、初めての人だとお店に入りずらい雰囲気があります。その点、質屋の大型店舗なら明るい雰囲気でリサイクルショップ感覚で利用できるので入りやすくおすすめです。

また、貸金業者だと個人の借入れの記録が信用情報に残り、住宅ローンなどの大きな借入れをするときの査定に影響することがあります。返済額の滞納や未払いなどの情報も信用情報として残ってしまうので、きっちり返済する自信がない人は、信用情報のシステムがない質屋をおすすめします。

おすすめの人③:借入れ期間を短くしたい人

質屋は借入れ期間が3ヶ月と決まっているため、借入れ期間を短くしたい人におすすめです。お金を借りるときは、貸金業者でお金を借りるときは、12回払いや24回払いなど、クレジットカードで借りる場合はリボ払いなども使うことができます。

長期間支払いを続けていると、借金をしている感覚が麻痺して、さらに新しい借入れをしてしまうこともあります。質屋なら、どこのお店でも3ヶ月の返済期限があるので、長期の借入れになることがありません。

期間の延長もありますが、延長するときに延長分の利息を払わなければならないので、返済計画を見直すきっかけになります。どうしても払えないときは、質草の品物を諦めて質流れにすれば借金も残りません。

借入れが長期にならないシステムができているので、質屋は借入れ期間を短くしたい人におすすめです。

お得に質屋を利用する方法

方法①:複数の品物をいっぺんに質入れして利息を下げる

複数の品物をいっぺんに質入れすると査定額が高くなります。お店によっても違いますが、質屋の利率は査定額額が高いほど安くなります。

自宅に高級ブランド品がたくさんある場合や、金やプラチナなどを使ったアクセサリーがたくさんある場合は、なるべく多くの品物をいっぺんに質入れしましょう。

時計などは一つでも価値が高いものがあるので、高級時計一つと安い査定になりそうなものを組み合わせて、利息が安くなる金額まで査定を上げ、利息を下げるやり方もあります。査定額がいくらになるかお店に行かないとわからないので、質入れ予備としてしてなるべくたくさんの品物を持っていくのをおすすめします。

方法②:倉庫として利用する

質屋は質入れされた品物を保管する倉庫を所有し、適切な管理をして品物が痛まないようにしています。もし担保として預かっていた品物にカビでも生えていたら、顧客に返却するとき、最初の状態より価値の下がった状態になってしまいます。

そこで質屋を管理の行き届いた倉庫として利用することができます。借りたお金はキープしておき、3ヶ月の返済期限が過ぎる前に、返却期限を延長します。

延長のときには、延長する期間の利息を1ヶ月単位で払えばいくらで延長できるので、長期間の預け入れも可能です。金やプラチナ、ダイヤなどを預け入れれば、防犯的にも安心な金庫としても使えおすすめです。

方法③:質流れにする前に買取りに変更する

お店によっても違いますが、質流れで貸してくれるお金よりも、買取りのお金の方が高いです。質入れした品物が、お金を返せずに質流れになりそうなときは、質流れになる前に買取りに変更します。

これによって得たお金から借りたお金プラス利子が差し引かれ、余った分はお金がもらえます。人気のブランド商品などの場合は大幅に査定額が上がる場合もあるので、おすすめの方法です。

質屋は日本の伝統

質屋の始まりは鎌倉時代、源頼朝が活躍し、武家政治が始まった時代です。昭和の時代ではメジャーだった質屋も貸金業者やリサイクルショップ、メルカリ、ヤフオクなどに押され数が少なくなってきました。

質入れする品物があれば、審査もなしで気軽にお金が借りれる質屋は、便利なお店です。日本の伝統でもある質屋を絶やさないために、ぜひ質屋を利用してみてください。

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